飯田市
《旧小笠原書院》
旧小笠原書院は江戸時代の旗本伊豆木小笠原氏の居館のうち、唯一現存するもので、江戸時代初期1624年ごろの建造と指定され、昭和27年に国の重要文化財に指定されています。
伊豆木小笠原家は初代長巨が慶長5年(1600)に武蔵国(埼玉県)本庄から移封されたのが始まりです。長巨は徳川家康から信濃国伊那郡のうち10万400石を支配するように命ぜられ、ここに居館を構えました。その一部が旧小笠原書院で元和3年(1617)の建設と伝えられています。
南側3分の1を崖上に突出した懸造りの書院は全国的にも珍しい遺構で、総こけら葺きの建物です。
書院は田字型四字の平面で、東南西の三方に一間巾の入側縁を廻らしています。
平成11年10月開館した小笠原資料館では、小笠原家関連資料をご覧いただくことができます。
《小笠原資料館(平成11年建設)》
国際的にも活躍されている日本の建築家ユニット※SANAA(サナア)が設計。建築界のノーベル賞ともいわれるプリッカー賞を2010年に受賞。妹島和世(せじま かずよ)氏の母が小笠原家出身の関係で、資料館を設計されました。
敷地の内側に向って逆S字を描いた形をしています。
<主な展示内容>
「伊豆木小笠原家の出自と系譜」、「小笠原流を伝える小笠原家」、「伊豆木での生活と領民とのかかわり」をテーマに江戸時代の旗本小笠原家に関係する資料を収蔵、展示しています。
※SANAA(サナア、Sejima and Nishizawa and Associates)は、妹島和世(せじまかずよ)と西沢立衛(にしざわりゅうえ)による建築家ユニット。代表作品、金沢21世紀美術館ほか。